痛くないから大丈夫?尿酸が高いと言われたら|高崎市 乾小児科内科医院|アレルギー科・循環器内科(心臓血管内科)

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痛くないから大丈夫?尿酸が高いと言われたら

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健康診断の結果を見たときに尿酸値が高く、驚いた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。痛風は男性が98.5%という調査もあるぐらい圧倒的に男性に多く、30歳以上では約3人に1人は尿酸値が高いといわれており、その数は年々増え続けています。

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国民生活基礎調査「痛風で通院中」の回答から推定された男性年齢別患者数

また連日暑い日が続いていますが夏場は、気温が高くなりふだんよりもたくさんの汗をかきます。汗をかくと体内の水分は失われ、脱水気味になり、消化管や尿への尿酸の排泄が低下します。尿酸の排泄が低下すると血液中の尿酸濃度は高くなります。そのため特にこの時期は尿酸値が高くなりやすく注意が必要です。

しかし、「数値は高いけど症状もないし別にいいや」と放置している方も多いのでは。尿酸値が高いのにそのままにしてしまうと、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まるため注意が必要で、代表的な病気が痛風です。

今回は、尿酸値が高くなってしまう原因や対処法などについて紹介します。

 
尿酸って何?

尿酸は膀胱結石の中から発見された物質で人体の情報(DNA)やエネルギーを受け持つ物質(プリン体など)が分解されてできた老廃物です。
普通の人の体内では一日約0.6gの尿酸が作られますが、この尿酸の産出が多くなったり排泄が低下したりすると尿酸は体内に蓄積し、痛風を起こします。

 
尿酸の基準値は?どのくらいから治療が必要?

男女ともにこの値が7.0mg/dLまでは基準値内です。 これを超えると異常で、高尿酸血症と呼ばれます。

ガイドラインでは痛風になったことがある方は尿酸値が7を超えたら、症状がない方も腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなどがある方は8を超えたら、何も合併症がなく症状がない方も9を超えたら治療がすすめられています。

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*合併症:腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなど

 
尿酸値を上昇させる原因は?

尿酸値を上昇させる原因は遺伝的なものと環境によるものとがあると考えられています。環境によるものには以下の5つが挙げられます。

 
(1)食生活の問題

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食事内容は尿酸値に影響します。長期の調査によると、肉食は痛風を増やし、海産物も痛風を少し増やします。野菜は痛風を減らし、乳製品も減らすと考えられています。

しかし、あまりにも極端な食事管理では長続きしませんし、かえって他の病気を招きます。野菜の多い食事を心がける程度でいいかと思います。

それより、痛風の患者さんの60%には、肥満があり、肥満度が大きいほど尿酸値は高くなります。また肥満は痛風の人に多い合併症の大敵です。食事を減らし、よく歩き、標準体重を守ることが大切です。

 
(2)飲酒の問題

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アルコール飲料を飲むと尿酸値は一時的に上がります。アルコールが体内で分解される時に尿酸が作られること、その際にできる乳酸が体内に尿酸を蓄積すること、一部のアルコール飲料には尿酸の元になるプリン体が多く含まれていることなどがその主な原因です。

アルコールが代謝されるときに尿酸値が上がるので、どんな種類のお酒でも尿酸値や痛風にはよくないわけですが、尿酸の素になるプリン体を含む量は種類によってかなり違います。プリン体は、ビールに最も多く含まれ、ウイスキー、ブランデー、焼酎などの蒸留酒はあまり含まれていません。長期にわたる研究では、ビールが痛風を増やし、蒸留酒も少し増やします。これに比較してワインは少し減らすと言う結果がでています。

日本では長期の調査が無いので、残念ながら日本酒についてはわかりませんが、焼酎はおそらく蒸留酒と考えてよいでしょう。低プリン体ビールなどはプリン体が少ないのでビールよりも痛風に悪くないと考えられますが、長期的な影響は研究されていません。ただ、ビールが大好きな人が完全にビールをやめるのも難しいので、こういった知識を頭に入れて、柔軟に対処すればいいと思います。

 
(3)ストレスや、行動パターン

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ストレスは尿酸値を上昇させるようです。運動もやり方次第では尿酸値を上げ、特に激しい運動は尿酸値を一時的に上昇させます。発汗や下痢で脱水状態になったときも血清尿酸値は上昇します。ストレスはうまく発散させるようにしましょう。

 
(4)他の病気の影響

腎機能が低下したり、血液の病気があったりすると尿酸値が上がることがあります。悪性腫瘍が原因で高尿酸血症になることもありますので注意が必要です。

 
(5)薬剤の影響

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薬剤の中には、尿酸値を上昇させるものがあります。代表的なものでは

  • ・サイアザイド系降圧利尿薬(フルイトランなど)
  • ・ループ利尿薬(ラシックスなど)
  • ・喘息の治療薬のテオフィリン(テオドールなど)
  • ・結核治療薬のピラジナマイド(ピラジナミドなど)
  • ・少量のアスピリン(小児用バファリンなど)

などがあります。
その他、薬剤ではありませんが健康食品といわれるものの中には、毎日食べ続けて尿酸値が高くなるものもあります。

 
高い尿酸値を放置するとどうなる?

尿酸値が高い状態が長く続くことを、一般的に「高尿酸血症」と呼びます。
高尿酸血症をそのまま放置してしまうと、さまざまな体の不調や病気を引き起こす危険性があるため注意が必要です。

高尿酸血症が原因で引き起こされる代表的な病気には、「痛風」が挙げられます。
痛風とは尿酸が関節などに溜まることで、痛みを伴う炎症が起きている状態を指します。

痛風は患部が赤く腫れ上がってしまったり、激しい痛みを伴ったりする場合が多いことが特徴です。

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痛風の発作は、初期の段階では次第に炎症や痛みが和らいでくることも多いですが、そのまま放置すると再び同じような症状をくり返すケースが多く見られます。

また、高尿酸血症を放置すると痛風の他に、高血圧や動脈硬化などを引き起こすリスクが高まります。
このような理由から、いきいきとした毎日を送るためにも高尿酸血症は放置せず、しっかりと対策を考えることが重要なのです。

 
尿酸値が自然に下がることはあるのか

尿酸値は「そのまま放置していれば自然に下がるだろう」と楽観的に考える人もいるかもしれません。

しかし、何の対策もせずに自然と尿酸値が下がることは現実的ではなく、難しいのが現状でしょう。
尿酸値を下げるには食生活の見直しや、肥満を解消するためにダイエットを行うことが重要です。

さらに、お酒を飲む機会が多い場合は少し控えめにしたり、適度に運動を行ったりすることもいい方法でしょう。

生活習慣の改善を心掛ければ、尿酸値が自然と下がることもあります。それでも十分な改善が得られなかった場合はお薬での治療を検討しましょう。

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