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BMI22が理想と言われるのはなぜ?年齢によって適正BMIは違います

2026/09/20
BMI22が理想なのかをテーマに、若い世代と高齢者のイラストを左右に配置し、年齢によって適正BMIは変わることを示したシンプルなアイキャッチ画像

健康診断などで「BMIは22くらいが理想です」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

確かにBMI22は、健康的な体重を考えるうえで一つの目安になります。

しかし、すべての人がBMI22を目指せばよいわけではありません。

特に高齢になると、太りすぎだけでなく「やせ」も健康上の大きな問題になります。年齢や筋肉量、持病、フレイルの有無などによって、望ましい体重の考え方は変わってきます。

この記事のポイント

  • BMI22は健康的な体重を考える一つの目安ですが、全員の「理想値」ではありません
  • 若い世代・中年では、肥満を避けて生活習慣病を予防することが重要です
  • 高齢者では、太りすぎだけでなく「やせ」やフレイル、筋肉量の低下にも注意が必要です

今回は、BMI22が理想と言われる理由や、年齢によって目標BMIがどう変わるのか、高齢者ではなぜ「やせ」にも注意が必要なのかを解説します。

目次(押すと目次が出ます)

BMIとは?

BMIはBody Mass Index(ボディ・マス・インデックス)の略で、身長と体重から計算する体格の目安です。

計算式は次の通りです。

BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

例えば、身長150cm、体重50kgの場合、

50 ÷ 1.5 ÷ 1.5 = 22.2

となり、BMIは約22です。

身長と体重だけで簡単に計算できるため、健康診断や生活習慣病の診療などで広く利用されています。

とはいえ、BMIだけでは「脂肪が多いのか、筋肉が多いのか」までは分かりません。

筋肉量の多い人ではBMIが高くても体脂肪がそれほど多くないことがありますし、反対にBMIが正常でも内臓脂肪が多かったり、筋肉量が少なかったりすることがあります。

BMIは健康状態を考えるための便利な指標ですが、あくまで目安の一つです。

BMIから標準体重を計算する方法

一般的に使われる「標準体重」は、BMI22を基準として計算します。

標準体重(kg)= 身長(m)× 身長(m)× 22

例えば身長160cmの場合、

1.6 × 1.6 × 22 = 56.3kg

となります。

BMIの判定基準

日本では、BMI25以上を「肥満」と判定します。

BMI判定
18.5未満低体重
18.5〜24.9普通体重
25.0〜29.9肥満(1度)
30.0〜34.9肥満(2度)
35.0〜39.9肥満(3度・高度肥満)
40.0以上肥満(4度・高度肥満)

BMIが高いことに加えて、高血圧、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群などの健康障害があるかどうかも重要です。

なぜ「BMI22」が理想と言われるの?

では、なぜBMI22が「理想的」と言われるようになったのでしょうか。

その根拠としてよく引用されるのが、30〜59歳の日本人男女4,565人を対象に行われた研究です。

この研究では、肺疾患、心疾患、上部消化管疾患、高血圧、腎疾患、肝疾患、脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病、貧血という10種類の健康上の問題とBMIとの関係を調べています。

その結果、健康上の問題が最も少なかったBMIは、

男性 22.2
女性 21.9

でした。

ここから、分かりやすくBMI22が標準体重の基準として広く使われるようになりました。

一方で、この研究には注意点もあります。

対象となったのは30〜59歳の中年男女であり、若い人や高齢者は含まれていません。

また、この研究が発表されたのは1991年です。

したがって、

「BMI22が、すべての年代・すべての人にとって唯一の理想値」

と考えるのは少し単純すぎます。

「BMI22は全員の正解ではありません」というタイトルのインフォグラフィック。左上に「BMI22が理想と言われる理由」(30〜59歳の日本人4,565人の研究で、健康上の問題が最も少なかったBMIが男性22.2・女性21.9だったこと)、右上に「でも年齢で考え方は変わります」、下段に「若い〜中年」(生活習慣病予防・太りすぎに注意)と「高齢者」(やせ・筋肉低下・フレイルにも注意、体重を減らしすぎないことも重要)を対比して示している

死亡率が最も低いBMIは年齢によって違う

BMIと健康との関係を考えるうえでは、「病気が少ないBMI」だけではなく、「死亡率が低いBMI」という視点もあります。

日本人の40〜79歳の男女を約10年間追跡した研究では、死亡率が最も低かったBMIは年齢によって異なっていました。

研究開始時の年齢男性女性
40〜49歳23.621.6
50〜59歳23.421.6
60〜69歳25.122.8
70〜79歳25.524.1

死亡率が最も低かったBMIには男女差がありますが、特に60代以降では、若い年代より高くなる傾向がみられます。

ただし、これは観察研究でみられた関連であり、このBMIを目指せば死亡率が下がると証明したものではありません。

特に高齢者では、「少し太めだからすぐに減量」という考え方が必ずしも正しいとは限りません。

高齢者では「太りすぎ」だけでなく「やせ」に注意

若い世代や中年では、高血圧、糖尿病、脂質異常症などを予防するために肥満を避けることが重要です。

糖尿病の方では、体重を落とすことが治療の助けになる場合もありますが、体重管理だけがすべてではありません。詳しくは「糖尿病はやせれば治る」は本当か?もご覧ください。

しかし高齢になると、それと同じくらい、あるいは人によってはそれ以上に、

体重が減りすぎないこと

が重要になります。

高齢者では体重が減ると、脂肪だけではなく筋肉も減少しやすくなります。

筋肉量が減ると、

  • 歩く速度が遅くなる
  • 転倒しやすくなる
  • 疲れやすくなる
  • 外出する機会が減る
  • 入院したときに体力が戻りにくくなる

といった問題につながることがあります。

そこで重要になるのがフレイルです。

フレイルがあるとBMIの意味も変わる

フレイルとは、加齢に伴って心身の予備能力が低下し、病気や入院などのストレスに弱くなった状態です。

65歳以上の地域在住日本人10,912人を対象にした2024年の研究では、BMIと死亡リスクの関係が、フレイルの有無によって異なることが示されました。

フレイルのない高齢者では、BMI23〜24付近で死亡リスクが最も低くなりました。

一方、フレイルのある高齢者では、BMIが高いほど死亡リスクが低くなる方向の関連が認められました。

また、BMI18.5未満の「やせ」は、フレイルの有無にかかわらず死亡リスクの上昇と関連していました。

この結果からも、高齢者の体重を考えるときには、

「BMIをどこまで下げるか」だけではなく、「やせすぎていないか」「筋肉や体力が落ちていないか」

を見ることがとても重要です。

なお、「高齢者なら太っているほどよい」という意味ではありません。

肥満は高血圧、糖尿病、心血管疾患、関節への負担などにつながることがあります。

高齢者では、過度な肥満を避けながらも、必要以上に体重を減らさないというバランスが大切です。

年齢によって目標BMIは違う

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の目標BMIを年齢別に次のように示しています。

「年齢別 目標BMI(日本人の食事摂取基準2025年版)」を示す表。18〜49歳は18.5〜24.9、50〜64歳は20.0〜24.9、65〜74歳と75歳以上はともに21.5〜24.9という目標BMIの範囲を年代別に示し、下部のポイント欄で「年齢が上がるほどやせすぎにも注意」「65歳以上ではフレイル予防も考えてBMI21.5以上が目標」と補足している

特に65歳以上では、生活習慣病だけでなく、フレイルや身体機能低下を防ぐことも考慮してBMI21.5以上が目標範囲とされています。

つまり、

年齢が高くなるほど「太らないこと」だけでなく「やせすぎないこと」も重要になる

ということです。

ただし、この範囲に入っていれば必ず健康というわけでも、範囲から少し外れたらすぐに減量・増量が必要というわけでもありません。

実際には、その方の病気や体力、筋肉量、体重の変化なども含めて判断します。

BMIが正常なら安心?

BMIが目標範囲に入っていれば一つの安心材料にはなりますが、それだけで健康状態を判断することはできません。

例えばBMI22でも、

  • お腹まわりに内臓脂肪が多い
  • 血圧が高い
  • 血糖値やHbA1cが高い
  • LDLコレステロールや中性脂肪が高い
  • 運動不足で筋肉量が少ない

といったことはあります。

逆にBMI25を少し超えていても、筋肉量が多く、血圧・血糖・脂質などに大きな問題がない場合もあります。

そのため実際の診療では、BMIだけではなく、

腹囲、血圧、血液検査、筋肉量、食事、運動習慣、年齢などを総合して評価する

ことが大切です。

まとめ|BMI22は「全員の正解」ではありません

BMI22は、健康上の問題が少なかった日本人の研究結果をもとに、標準体重の基準として広く使われている数値です。

ただし、BMI22をすべての人が目指す必要はありません。

若い世代・中年世代

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を予防するため、太りすぎを避けることが大切です。

BMIだけでなく、腹囲、血圧、血糖値、コレステロール、中性脂肪なども合わせて確認しましょう。

高齢者

太りすぎだけでなく、やせすぎや筋肉量の低下にも注意が必要です。

特に、

  • 最近体重が減ってきた
  • 食事量が少なくなった
  • 歩く速度が遅くなった
  • 疲れやすくなった
  • 外出する機会が減った

といった変化がある場合には、フレイルの可能性も考える必要があります。

2025年版の日本人の食事摂取基準では、65歳以上の目標BMIは21.5〜24.9とされています。

大切なのは、BMIの数字だけで体重を判断しないことです。年齢、筋肉量、持病、体重の変化、血圧や血液検査などを合わせて、その人に合った体重を考えます。「BMIは正常なのに健診結果が気になる」「最近体重が増えた」「高齢になって体重が減ってきた」という場合は、医療機関へご相談ください。

参考文献


この記事の執筆・監修者

高崎市の乾小児科内科医院 院長 乾恵輔

乾 恵輔(いぬい けいすけ) 乾小児科内科医院 院長

【保有資格】

  • 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
  • 日本循環器学会認定 循環器専門医
  • 日本内科学会認定 総合内科専門医

院長よりメッセージ: BMIの数字だけにとらわれず、年齢や体力、持病に合わせた体重管理を一緒に考えていきましょう。特に高齢の方は、「やせ」も注意すべきサインです。健診結果で気になることがあれば、お気軽にご相談ください。


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