花粉症はいつ終わる?症状が続く原因と対策をアレルギー専門医が解説
「スギ花粉のピークは過ぎたはずなのに、まだ鼻水や目のかゆみが続いている」という方も多いのではないでしょうか。
関東では、スギ・ヒノキ花粉症は多くの場合5月頃までに落ち着きます。ただし、年によっては6月頃まで花粉が飛び、症状が続くことがあります。それ以降も症状が続く場合は、別の花粉やダニ、ハウスダストなどが関係しているかもしれません。この記事では、花粉症が続く時期の目安と、症状が長引く原因、日常生活でできる対策を解説します。
目次(押すと目次が出ます)
スギ・ヒノキ花粉症はいつまで続く?
日本で最も多いスギ花粉症は、関東では2月頃から症状が出始め、2~3月にピークを迎えます。スギ花粉が減り始める3月下旬頃からはヒノキ花粉が増えるため、両方に反応する方は春のあいだ症状が途切れません。
ヒノキ花粉は4月頃がピークで、多くの場合は5月頃に落ち着きますが、年によっては6月頃まで飛散が続きます。花粉が飛ぶ時期や量は、その年の気温や天候によって変わります。少量の花粉でも症状が出やすい方では、6月頃まで鼻水や目のかゆみが続くことがあります。
つまり、スギとヒノキの両方にアレルギーがある方は、2月頃から5月頃まで、年によっては6月頃まで症状が続く可能性があります。
春だけではない|原因となる花粉は季節ごとに異なります
花粉症というと春のスギやヒノキを思い浮かべますが、原因となる植物は季節によって変わります。
| 主な花粉 | 関東周辺で飛散しやすい時期の目安 |
|---|---|
| スギ | 1~5月頃(本格的な飛散は2~3月) |
| ヒノキ | 3~6月頃(ピークは4月) |
| イネ科 | 春から秋を中心に長期間 |
| ブタクサ・ヨモギ | 8~10月頃 |
飛散時期には地域差があり、天候によっても前後します。春が終わっても症状が続く場合は、イネ科など別の花粉に反応している可能性があります。秋に症状が出る花粉症については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
花粉の時期が終わっても症状が続くのはなぜ?

花粉の飛散が落ち着いても、鼻水や鼻づまりが続くことがあります。単に花粉症が長引いているだけではなく、いくつかの原因が考えられます。
鼻や目の炎症が残り、刺激に敏感になっている
花粉による刺激が続いた後は、鼻や目の粘膜に炎症が残り、花粉の量が減ってもすぐには症状が治まらないことがあります。
粘膜が敏感になっている時期は、少量の花粉だけでなく、黄砂やPM2.5、たばこの煙、強いにおいなどでも、鼻水や目のかゆみが悪化しやすくなります。
別の種類の花粉に反応している
スギの後にはヒノキ、その後はイネ科の花粉が飛びます。複数の花粉にアレルギーがある方では、原因となる花粉が入れ替わりながら症状が続いていることがあります。
ダニやハウスダストが原因になっている
ダニやハウスダストによるアレルギー性鼻炎は、季節を問わず症状が出ます。春に始まった鼻水や鼻づまりが夏になっても続く場合は、花粉だけでなく、通年性アレルギー性鼻炎が関係している可能性があります。
花粉症以外の鼻炎が隠れている
風邪や副鼻腔炎、寒暖差などの刺激で起こる非アレルギー性鼻炎でも、鼻水や鼻づまりが続くことがあります。「いつもの花粉症」と思っていても、実際には別の原因が重なっていることもあります。
花粉症の症状を軽くするためにできること
花粉症対策の基本は、体に入る花粉をできるだけ減らすことです。
- 外出時はマスクやメガネを使用する
- 帰宅前に衣類の花粉を払い、帰宅後は洗顔や手洗いをする
- 花粉が多い日は窓を開ける時間を短くし、室内への持ち込みを減らす

すでに症状が出ている場合は、抗ヒスタミン薬の飲み薬、鼻の炎症を抑える点鼻薬、目の症状に対する点眼薬などを症状に合わせて使用します。
毎年同じ時期につらくなる方には、本格的な飛散が始まる前、または症状が軽いうちから治療を始める「初期療法」も有効です。症状が強くなってから薬を始めるよりも、花粉が多い時期の症状を抑えやすくなります。
市販薬を使っても十分に改善しない場合や、眠気などの副作用が気になる場合は、医療機関でご相談ください。
毎年つらい方は、花粉が落ち着いた後の治療も検討できます
毎年スギ花粉症の症状が強い方には、アレルギーの原因に働きかける「舌下免疫療法」という選択肢があります。
舌下免疫療法は、スギ花粉の成分を含む薬を毎日服用し、アレルギー反応を少しずつ弱めていく治療です。症状を軽くしたり、花粉症の薬を減らしたりする効果が期待できます。
スギ花粉が飛んでいる時期には新しく治療を始められないため、飛散が落ち着いた初夏から、次の花粉シーズンが始まる前までが開始時期です。
治療を始められる年齢、毎日の服用方法、効果、副作用、費用については、舌下免疫療法はいつから?何歳からできる?で詳しく解説しています。お子さんの花粉症についても、あわせてご覧ください。
症状が長引く場合はご相談ください
市販薬を使っても改善しない、鼻づまりで眠りにくい、仕事や学校生活に支障がある、毎年症状が強いという方は、一度ご相談ください。症状が出る時期や生活環境を確認し、必要に応じて検査を行いながら原因を検討します。
まとめ
スギ・ヒノキによる花粉症は、多くの場合5月頃までに落ち着きます。ただし、年によっては6月頃まで花粉が少量飛散し、症状が続くことがあります。
それ以降も鼻水や鼻づまり、目のかゆみが続く場合は、イネ科など別の花粉、ダニやハウスダスト、黄砂などの刺激、花粉症以外の鼻炎が関係している可能性があります。
また、毎年スギ花粉症に悩んでいる方は、症状が治まった時期から舌下免疫療法を検討できます。「花粉の時期が終わったから大丈夫」と忘れてしまう前に、次のシーズンに向けた治療についてご相談ください。
参考資料
- アレルギーポータル(日本アレルギー学会・環境再生保全機構). 花粉症.
- アレルギーポータル(日本アレルギー学会・環境再生保全機構). アレルギーの治療について.
この記事の監修者

乾 宏行(いぬい ひろゆき) 乾小児科内科医院 副院長
【保有資格】
- 日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医
- 日本小児科学会認定 小児科専門医
副院長よりメッセージ: 花粉のピークを過ぎても鼻水や鼻づまりが続くときは、スギやヒノキ以外の原因が重なっていることがあります。毎年症状が強い方は、症状が治まった後が、次のシーズンに向けた治療を考えるタイミングです。お子様から大人の方まで、お気軽にご相談ください。
【アレルギー科のご案内】
花粉症や長引く鼻炎、舌下免疫療法についてのご相談は、当院のアレルギー科で受け付けています。症状が出る時期や生活環境を確認し、必要に応じて血液検査などを行いながら、治療の進め方をご説明します。
受診をご希望の方は、WEB事前受付をご利用いただくとスムーズです。当日、症状について確認したいことがある場合は、お電話でもお問い合わせいただけます。



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