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運動すると咳・息苦しさが出る?運動誘発喘息の症状と予防法

2026/09/30
運動すると咳や息苦しさが出る運動誘発喘息の症状と予防法を解説するアイキャッチ画像

「体育で走ったあとに咳が止まらない」「冬のランニングでゼーゼーする」。こうした症状を繰り返す場合、運動誘発喘息が関係しているかもしれません。

予防や治療を工夫することで、運動を続けられることが多い病気です。この記事では、運動誘発喘息の症状、予防法、症状が出たときの対応をわかりやすく解説します。

目次(押すと目次が出ます)

運動誘発喘息とは?どんな症状が出る?

運動誘発喘息は、運動をきっかけに空気の通り道が一時的に狭くなり、咳や息苦しさが出る状態です。子どもにも大人にも起こります。

主な症状は、咳、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸の音、息苦しさ、胸が締めつけられる感じなどです。

運動をしている最中だけでなく、走り終えてから症状が出たり、強くなったりすることがあるのも特徴です。「体育のあとに咳が続く」「運動を終えても、しばらく息苦しさが残る」といった形で気づくことがあります。

喘息のある方にみられますが、普段は症状がなく、喘息と診断されていない方にも起こります。そのため、医学的には「運動誘発気管支収縮(EIB)」と呼ばれます。この記事では、馴染みのある「運動誘発喘息」という名称で説明します。

運動で息が上がること自体は自然な反応です。ただ、咳やゼーゼーを繰り返したり、息苦しさで運動を続けられなかったりする場合には、一度原因を確認しましょう。

なぜ運動で咳や息苦しさが出るの?

呼吸が増えると、空気の通り道が乾燥する

運動すると、呼吸が速く大きくなり、口からもたくさんの空気を吸うようになります。このとき、空気の通り道から水分が失われ、乾燥します。

空気の通り道が乾燥すると、その刺激で気管支が狭くなり、咳や息苦しさが出ることがあります。冷たく乾燥した空気の中では、特に症状が起こりやすくなります。

運動誘発喘息の仕組みの図。運動で呼吸が増えると空気の通り道が乾燥し、気管支が狭くなって咳・ゼーゼー・息苦しさが出る

長く走る運動や、寒い屋外では症状が出やすい

長距離走など、呼吸量が増える運動を続けると症状が出やすくなります。冬の持久走や、寒い朝のランニングで咳き込む方がいるのはこのためです。

ただし、症状の出やすさは運動の種類だけで決まりません。運動の強さや時間、その日の体調、気温・湿度なども関係します。同じ運動でも、日によって症状が違うことがあります。

水泳などでも症状が出ることはあります。特定の競技を一律に避けるより、自分がどんな条件で症状を起こしやすいかを知ることが、予防につながります。

運動誘発喘息はどうやって調べる?

診察では、症状が出る場面や続く時間を確認します。「寒い日に走ると出る」「走り終えてから咳が始まる」「休むとどのくらいで落ち着く」といった経過を伝えると、原因や予防法を考える手がかりになります。

夜間や明け方の咳、風邪のあとに長引く咳があるかも確認します。運動していないときの症状も、喘息を考えるうえで大切な情報です。

年齢や症状に応じて、息を勢いよく吐いて空気の流れを調べる「呼吸機能検査」などを行います。必要な場合には、専門の医療機関で運動前後の呼吸機能の変化を調べることもあります。

運動時の息切れには、体力の低下や喉の問題など、ほかの原因が関係する場合もあります。症状だけで決めつけず、経過や検査を合わせて確認することが大切です。

運動を楽しむための予防法

運動誘発喘息の4つの予防法を示すイラスト。徐々に体を動かす、寒さ・乾燥を避ける、普段の治療を続ける、必要なら運動前に吸入する

1.ウォーミングアップで徐々に体を動かす

いきなり全力で走り始めず、10〜15分程度を目安に、軽いジョギングから少しずつ強さを上げていきましょう。

ストレッチだけで終えるのではなく、少し息が上がる程度まで体を動かす時間をつくることがポイントです。ウォーミングアップによって、その後の症状が出にくくなることがあります。内容や強さは、体調や年齢に合わせて調整します。

2.寒さ・乾燥を避ける工夫をする

冷え込みが強い日には、運動する時間帯や場所を変えたり、屋内で行ったりする方法があります。屋外では、マスクなどで口や鼻を覆い、吸い込む空気を温め、乾燥を和らげる工夫も一つの方法です。

息苦しくなるほど無理にマスクを着け続ける必要はありません。運動の強さや場所を調整して、続けやすい方法を選びましょう。

3.普段の喘息治療を整える

喘息のある方では、普段から気道の炎症を抑えておくことが、運動時の症状の予防にもつながります。治療の土台となるのは、吸入ステロイドを含む薬です。年齢や症状に応じて、予防のための飲み薬を使うこともあります。

症状が落ち着いていても、処方された治療は指示どおり続けましょう。運動時の症状を繰り返す場合には、薬の種類や量に加えて、吸入の仕方や使い忘れがないかも確認します。

大人の喘息の症状や治療については、別記事「気管支喘息とは?症状・検査・治療を医師が解説」で詳しく説明しています。

4.必要に応じて、運動前に吸入薬を使う

運動で症状が出やすい方には、メプチンやサルタノールなど、気管支を広げる吸入薬を運動前に使うことがあります。通常は運動の約15分前に使用しますが、タイミングや回数は処方時の指示に従ってください。

喘息の薬には、普段から炎症を抑えて症状を予防する役割と、気管支をすばやく広げて息苦しさを和らげる役割があります。自分のどの薬を、普段・運動前・症状が出たときに使うのかを、主治医や薬剤師と確認しておきましょう。

毎日のように運動前の吸入が必要になる場合や、使っても症状が出る場合は、普段の治療を見直すタイミングです。使用回数を自分で増やし続けるのではなく、主治医に相談しましょう。

運動中・運動後に症状が出たら

咳やゼーゼー、息苦しさが出たら、まず運動を中断して休みましょう。発作時に使う吸入薬を処方されている場合は、あらかじめ説明された方法で使用します。

症状が残っている間は、運動を再開せずに休みます。薬を使っても改善しない場合や、症状を繰り返す場合は、医療機関に相談してください。

子どもの体育・部活動で気をつけたいこと

子どもは、運動時の息苦しさをうまく説明できず、「走るのが苦手」「体育を嫌がる」という形で表れることもあります。運動後に咳き込む様子が続く場合は、本人がどんなふうに感じているかも聞いてみましょう。

運動誘発喘息がある場合は、症状が出やすい場面、運動前に薬を使う必要があるか、症状が出たときの対応を、担任・養護教諭・部活動の顧問などと共有しておくと安心です。

持久走や運動会の前に、ウォーミングアップや休憩の取り方、吸入薬を使う場所などを相談しておくと、参加しやすくなります。症状に合わせた準備をして、できる活動を一緒に考えることが大切です。

子どもの喘息の症状や治療の基本は、別記事「子どもの喘息とは?症状・診断・治療を小児科医が解説」をご覧ください。

運動をあきらめる前にご相談ください

運動誘発喘息は、子どもから大人まで起こり、トップアスリートにもみられます。予防や治療を工夫しながら、スポーツを続けている方も多くいます。

「運動すると咳が出る」「走ったあとにゼーゼーする」「息苦しさで体育や運動を楽しめない」。こうした症状がある方は、我慢したり、運動をあきらめたりする前にご相談ください。

参考文献

※この記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。


この記事の監修者

乾小児科内科医院 副院長 乾 宏行(アレルギー専門医) の写真

乾 宏行(いぬい ひろゆき) 乾小児科内科医院 副院長

【保有資格】

  • 日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医
  • 日本小児科学会認定 小児科専門医

副院長よりメッセージ: 運動のたびに咳やゼーゼーが出ると、体育や部活動、趣味のスポーツを控えたくなるかもしれません。予防の工夫や治療の見直しで続けられることが多いので、あきらめる前にご相談ください。


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当院では、小児・成人の喘息やアレルギーの診療を行っています。症状が出る場面や普段の治療を確認し、一人ひとりに合った予防・治療を一緒に考えます。

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