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家庭血圧はなぜ必要?正しい測り方・測る時間・記録のコツ

2026/09/11
「家庭血圧はなぜ必要?正しい測り方・測る時間・記録のコツ」というタイトルを背景に、自宅で上腕式血圧計を使って血圧を測定する中高年男性のイラストと、血圧手帳が置かれた机を描いたアイキャッチ画像

高血圧で受診したときに血圧手帳を渡され、「自宅でも血圧を測ってきてください」といわれたことはありませんか?

「診察室で測ったのに、家でも測る必要があるの?」「毎日測るのは面倒」と感じる方もいらっしゃると思います。

それでも家庭血圧をお願いするのは、診察室で測る1回の血圧だけでは、普段の血圧が十分に分からないからです。家庭血圧は、高血圧の診断だけでなく、薬がきちんと効いているかを確認するためにも大切な情報になります。

この記事では、家庭血圧が必要な理由と、正しい測り方、数値の見方を分かりやすく解説します。

家庭血圧から分かる3つのこと

1.普段の血圧をより正確に把握できる

血圧はいつも同じではありません。時間帯、気温、睡眠、運動、食事、緊張などの影響を受けて、一日の中でも変化しています。

診察室で測る血圧は、その日のある時点の値にすぎません。一方、家庭で何日か続けて測ると、普段の血圧がどのくらいなのか、朝と夜でどのような違いがあるのかが見えてきます。

1回の数値に一喜一憂するのではなく、数日間の記録をまとめて見ることが大切です。

2.白衣高血圧や仮面高血圧に気づける

病院では緊張して血圧が上がることがあります。診察室では高いものの、家庭では高くない状態を「白衣高血圧」と呼びます。

反対に、診察室では高くないのに、家庭では高い状態が「仮面高血圧」です。特に、起床後の血圧が高くなる「早朝高血圧」は、診察室の測定だけでは見つけにくいことがあります。

診察室血圧と家庭血圧の高低の組み合わせから分かる4つのタイプ(正常域・持続性高血圧・白衣高血圧・仮面高血圧)を、病院と家のアイコンで示した図解

白衣高血圧については、「病院で測るときだけ血圧が高い?意外と多い白衣高血圧」で詳しく解説しています。

3.治療が一日を通して効いているか確認できる

高血圧の薬を飲んでいても、診察室での血圧が良ければ十分とは限りません。朝だけ高い、夜になっても高い、反対に薬が効きすぎて低くなっているなど、家庭血圧によって初めて分かることがあります。

家庭血圧の記録は、薬の種類や量、服用する時間が適切かを検討する手がかりになります。ただし、朝の血圧が高いからといって、薬を夜に変えればよいとは限りません。服用する時間や量は自己判断で変更せず、医師にご相談ください。

家庭血圧の正しい測り方

せっかく毎日測っても、測り方が一定でなければ正確な比較ができません。家庭では、原則として朝と夜の1日2回、できるだけ同じ条件で測ります。

家庭血圧の正しい測り方を示した図解。朝は起床後1時間以内・排尿後・朝食や服薬の前に、夜は就寝前で入浴・飲酒・運動の直後を避けて測定し、測るときは1〜2分安静にして足を組まず腕を心臓の高さに置くという、朝夜それぞれ原則2回の測定手順を表している

朝に測るタイミング

朝は、起床後1時間以内に測ります。トイレを済ませ、朝食や薬を飲む前に測定してください。

夜に測るタイミング

夜は、就寝前に測ります。入浴、飲酒、運動の直後は血圧が変動しやすいため、少し時間をあけて落ち着いてから測りましょう。

測定するときの姿勢

椅子に腰かけ、背もたれに背中をつけて、1~2分静かにしてから測ります。足は組まず、両足を床につけます。腕を机などに置き、血圧計のカフが心臓と同じくらいの高さになるようにします。

会話をしながら測ったり、測定直前にたばこを吸ったり、カフェインを含む飲み物をとったりすると、血圧が高く出ることがあります。

家庭用の血圧計は、精度が検証された上腕式がおすすめです。手首式も正しい位置で測れば正確な機種がありますが、手首の高さや角度によって数値が変わりやすく、家庭では測定誤差が生じやすいためです。カフは厚手の服の上から巻かず、腕の太さに合ったものを使用してください。

1回に何度測ればよい?

朝と夜、それぞれ原則2回ずつ測り、表示された数値をすべて記録します。測り直して低い方だけを書くのではなく、高かった値も含めて残してください。

血圧は測るたびに多少変わるのが普通です。1回目と2回目に差があっても、何度も測り続けて一番低い値を選ぶ必要はありません。

初めて受診するときや薬を調整するときは、できれば5~7日間の記録があると、普段の傾向を判断しやすくなります。毎日続けることが難しい場合も、まずは受診前の1週間だけ朝と夜に測るなど、無理なく続けられる方法を考えてみましょう。

家庭血圧はどのくらいなら高い?

家庭血圧は、診察室で測る血圧とは基準が異なります。

診察室血圧家庭血圧
高血圧と診断する目安140/90mmHg以上135/85mmHg以上
治療中の一般的な目標130/80mmHg未満125/75mmHg未満

診断は1回の数値だけではなく、複数回の測定結果や診察内容をもとに行います。また、治療目標は年齢だけで一律に緩めるのではなく、体調、持病、ふらつきなどを確認しながら個別に調整します。

家庭血圧の平均が135/85mmHg以上になる状態が続く場合や、治療中でも目標値を上回る日が続く場合は、一度ご相談ください。

血圧手帳やアプリには高い値もそのまま記録を

血圧が高いと、もう一度測り直して低い値だけを記録したくなるかもしれません。しかし、高い日がどのくらいあるか、朝と夜で差があるかも、治療を考えるうえで大切な情報です。

血圧と脈拍に加えて、薬を飲み忘れた日、睡眠不足、飲酒、体調不良などがあれば、簡単にメモしておくと診察の参考になります。

最近は、測定結果を自動で保存できる血圧計やスマートフォンアプリもあります。記録方法は紙でもアプリでも構いません。続けやすい方法を選びましょう。

家庭血圧は「普段の状態」を知るための大切な検査です

家庭血圧を測る目的は、毎日の数字に一喜一憂することではありません。診察室では分からない普段の血圧を知り、必要な治療を適切に行うことです。

数値が高かった日だけを気にするのではなく、朝と夜の血圧を何日か記録し、全体の傾向を確認しましょう。血圧手帳やアプリの記録を診察時に見せていただければ、より一人ひとりに合った治療につなげることができます。

高血圧の基準値や治療の考え方全般については、「高血圧とは?基準値・症状・治療と受診の目安を循環器専門医が解説」もあわせてご覧ください。

服用時間の調整については、「血圧の薬、朝と夜どっちに飲むのが正解?」もご参照ください。

参考資料


この記事の執筆・監修者

高崎市の乾小児科内科医院 院長 乾恵輔

乾 恵輔(いぬい けいすけ) 乾小児科内科医院 院長

【保有資格】

  • 日本循環器学会認定 循環器専門医
  • 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
  • 日本内科学会認定 総合内科専門医

院長よりメッセージ: 「家で測る血圧に意味があるのか」と聞かれることがありますが、実は診察室の1回の数値よりも、家庭血圧の方が普段の状態をよく表していることが少なくありません。面倒に感じられるかもしれませんが、記録を見せていただくことで、治療方針をより判断しやすくなります。無理のない範囲で続けていただければと思います。


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