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睡眠時無呼吸症候群を疑う症状は?なりやすい人・検査の目安を医師が解説

2026/09/08
いびきをかいて眠る男性と心配そうに見守る女性、気道が狭くなる様子の断面図を描いた、睡眠時無呼吸症候群の症状となりやすい人を解説する記事のアイキャッチ画像

最終更新日:2026年9月8日

「いびきが急に止まり、しばらくすると大きな音とともに呼吸が再開する」

「寝ているときに息が止まっていると家族から言われた」

「十分寝ているはずなのに、日中の眠気やだるさが続いている」

このような症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。睡眠中に起こるため、本人は気づいておらず、家族からの指摘が受診のきっかけになることも少なくありません。

ただし、いびきをかく人がすべて睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。反対に、日中の眠気がないからといって否定することもできません。

この記事では、睡眠時無呼吸症候群を疑う症状、なりやすい人の特徴、検査を受ける目安について解説します。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、眠っている間に呼吸が止まったり、浅くなったりする状態を繰り返す病気です。

睡眠時無呼吸にはいくつかのタイプがありますが、多くみられるのは、眠ると喉の空気の通り道が狭くなる「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」です。この記事では、主に成人の閉塞性睡眠時無呼吸について説明します。

呼吸が止まるたびに血液中の酸素濃度が低下し、脳が短時間目覚めて呼吸を再開させます。本人に目覚めた自覚がなくても睡眠は何度も分断されるため、しっかり寝たつもりでも身体が休まらず、日中の眠気や疲労感につながります。

特に注意したい睡眠中のサイン

睡眠時無呼吸症候群ではさまざまな症状がみられますが、特に重要な手がかりとなるのが、睡眠中の息苦しさやあえぎ呼吸です。

息が詰まるような感覚で目が覚める、あえぐように呼吸を再開する、家族から呼吸が止まっていると指摘される場合は、一度検査を検討した方がよいでしょう。

いびきも代表的な症状です。特に、

大きないびきが続く → 急に静かになる → あえぐような呼吸とともに大きないびきが再開する

という状態を繰り返している場合は、睡眠中に気道が塞がっている可能性があります。

大きないびきが続いた後に急に静かになり、呼吸が止まり、あえぐような呼吸とともにいびきが再開するという睡眠時無呼吸症候群の危険な呼吸パターンを示した図解

睡眠時無呼吸症候群でみられる症状

症状は、寝ている間だけでなく、朝起きたときや日中にも現れます。

寝ている間起床時日中
大きないびき口が渇いている強い眠気
呼吸が止まる頭痛がするだるさや疲労感
息苦しさや窒息感で目が覚める熟睡した感じがしない集中力が続かない
あえぐ、むせるすっきり起きられない仕事や勉強の能率が落ちる
夜中に何度も目が覚める身体が重く感じる居眠りをしやすい
夜間に何度もトイレへ行く気力が出ない

すべての症状がそろうわけではありません。また、睡眠時無呼吸があっても、日中の眠気をほとんど感じない人もいます。

一方、日中の眠気は睡眠不足、不眠症、服用している薬、うつ病など、睡眠時無呼吸以外の原因でも起こります。症状だけで自己診断するのではなく、疑わしい場合は睡眠中の呼吸を検査で確認することが大切です。

運転中に眠くなる場合は早めに相談を

日中の眠気が強く、運転中や仕事中にも眠りそうになる場合は、事故につながる危険があります。検査までの間も眠気のある状態での運転を避け、早めに医療機関へご相談ください。

いびきをかけば睡眠時無呼吸症候群?

いびきは、狭くなった喉を空気が通るときに、軟口蓋や口蓋垂などの組織が振動して生じる音です。眠ると喉の筋肉がゆるみ、仰向けでは舌が喉の奥へ落ち込みやすくなるため、空気の通り道が狭くなります。

いびきをかいていても、睡眠中の呼吸が保たれている人はいます。そのため、いびきだけで睡眠時無呼吸症候群とは診断できません。

単なるいびきか、治療が必要な睡眠時無呼吸なのかを家庭で判断するのは難しいため、呼吸停止や起床時・日中の不調を伴う場合は検査で確認しましょう。

睡眠時無呼吸症候群になりやすい人

睡眠時無呼吸症候群は肥満のある人に多い病気ですが、体重だけで決まるものではありません。顎や喉の形、年齢など、複数の要因が関係します。

肥満や首まわりへの脂肪の蓄積

肥満は、閉塞性睡眠時無呼吸の最も重要な危険因子です。首や喉のまわりに脂肪がつくと、空気の通り道が狭くなりやすくなります。また、腹部の脂肪によって肺が十分に広がりにくくなることも、睡眠中の呼吸に影響します。

顎・鼻・扁桃などの形

上顎や下顎が小さい、下顎が後ろに引いている、鼻腔が狭いといった骨格の特徴も関係します。

日本人を含むアジア人では、欧米人ほど肥満が目立たなくても、顎の形などの影響によって気道が狭くなる場合があります。「太っていないから大丈夫」とは限りません。

扁桃が大きい場合や、アレルギー性鼻炎などで鼻づまりが続いている場合も、睡眠中の呼吸に影響することがあります。

年齢・性別・飲酒などの影響

閉塞性睡眠時無呼吸は男性に多く、年齢とともに増える傾向があります。ただし、女性も閉経後には発症しやすくなるため注意が必要です。

アルコールによって喉の筋肉がゆるむと、気道が狭くなり、いびきや無呼吸が悪化することがあります。普段はいびきをかかない人でも、飲酒した夜だけいびきが目立つ場合があります。

肥満・首まわりの脂肪、小さい顎・後ろに引いた顎、大きな扁桃・鼻づまり、加齢・飲酒など、肥満以外にもある睡眠時無呼吸症候群のなりやすい要因を示した図解

高血圧がある人は、眠気がなくても注意

睡眠時無呼吸症候群は高血圧とも関係します。特に、治療をしても血圧が下がりにくい人や朝の血圧が高い人では、いびきや眠気が目立たなくても睡眠時無呼吸が隠れていることがあります。

睡眠時無呼吸症候群と血圧については、睡眠時無呼吸症候群と高血圧の関係で詳しく解説しています。

このような場合は検査を検討してください

次のような症状や背景がある場合は、一度医療機関へ相談してみましょう。

  • 家族から睡眠中の呼吸停止を指摘された
  • 息苦しさやあえぎ呼吸、大きないびきなどが続いている
  • 日中の眠気が仕事や運転に影響している
  • 高血圧の治療をしても血圧が下がりにくい

当てはまる項目数だけで診断することはできません。反対に、項目が少なくても、睡眠中の呼吸停止を繰り返している場合は検査が必要になることがあります。

睡眠時無呼吸症候群の検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、多くは自宅で行える簡易検査から検討します。指や鼻などにセンサーを装着し、睡眠中の呼吸や血液中の酸素濃度などを記録します。痛みを伴う検査ではなく、普段の寝室で受けられます。

ただし、簡易検査では脳波を測定しないため、実際に眠っていた時間を正確に把握できず、呼吸障害を実際より軽く評価することがあります。

簡易検査の数値が低くても睡眠時無呼吸が強く疑われる場合や、心臓病などの併存疾患がある場合には、脳波、呼吸、酸素濃度、心電図などを記録する精密検査(PSG)が必要になることがあります。当院では、自宅で行う精密検査にも対応しています。

どの検査が適しているかは、症状や持病を確認したうえで判断します。最初からご自身で検査方法を選ぶ必要はありません。

検査結果によって、生活習慣の見直し、マウスピース、CPAP、耳鼻咽喉科での治療などを検討します。CPAPの保険適用基準については、2026年6月から睡眠時無呼吸症候群の治療(CPAP)基準が変わりますをご覧ください。

受診先に迷う方は、いびきや睡眠時無呼吸症候群は何科を受診するべきかも参考にしてください。

外来での問診から自宅での簡易検査、必要に応じた精密検査、治療方針の相談までの睡眠時無呼吸症候群の検査の流れ5ステップを示した図解

よくある質問

スマートフォンの録音やアプリで診断できますか?

いびきや呼吸の変化に気づく手がかりにはなりますが、録音やアプリだけで睡眠時無呼吸症候群を診断することはできません。診断には医療機関で行う睡眠検査が必要です。

子どものいびきも相談できますか?

子どもでも睡眠時無呼吸が起こることがあります。ただし、原因や検査結果の判断は成人と異なります。毎晩のように大きないびきをかく、呼吸が止まる、苦しそうに眠っている場合は、小児科または耳鼻咽喉科へご相談ください。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は本人が気づきにくく、肥満がない人や、日中の眠気が目立たない人にも起こります。症状だけでは診断できませんが、多くの場合は自宅で行える簡易検査から調べます。いびきや呼吸停止が気になる方、寝ても疲れが取れない方は、一度ご相談ください。

参考資料


この記事の執筆・監修者

高崎市の乾小児科内科医院 院長 乾恵輔

乾 恵輔(いぬい けいすけ) 乾小児科内科医院 院長

【保有資格】

  • 日本循環器学会認定 循環器専門医
  • 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
  • 日本内科学会認定 総合内科専門医

院長よりメッセージ: いびきや無呼吸は、ご本人よりご家族が先に気づかれることが多い症状です。高血圧の治療をしていてもなかなか血圧が下がらない方にも隠れていることがありますので、気になる方はお気軽にご相談ください。


【睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来のご案内】 

いびきや呼吸停止を指摘された方、寝ても疲れが取れない方は、当院にご相談ください。自宅でできる簡易検査から、必要に応じた精密検査(PSG)まで対応しています。

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