パルモディアXRとは?中性脂肪を下げる効果・飲み方・副作用を解説
「中性脂肪とコレステロールは、何が違うの?」「従来のパルモディアとパルモディアXRは、どう違うの?」。検査結果や薬の名前を見て、疑問を感じる方もいらっしゃると思います。
パルモディアXRは、主に中性脂肪が高い方に使う、1日1回の飲み薬です。この記事では、中性脂肪とLDLコレステロールの違いから、薬の効果、従来のパルモディアとの違い、飲み方や副作用までを解説します。
目次(押すと目次が出ます)
パルモディアXRはどんな薬?
パルモディアXRは、「ペマフィブラート」という成分を含む脂質異常症の治療薬です。体の中で脂質を処理する働きを調整し、血液中の中性脂肪を下げます。

動物実験では、肝臓での中性脂肪の合成や血液中への分泌が抑えられ、血液中の中性脂肪の分解・処理が進むことが確認されています。
中性脂肪とLDLコレステロールはどう違う?

中性脂肪は、エネルギーの蓄えになる脂質です
中性脂肪は、食事からとり入れられるほか、肝臓でも作られる脂質です。必要なときに分解され、体を動かすエネルギー源になります。使いきれなかった分は、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。
検査結果には「TG」や「トリグリセライド」と書かれることもあります。
血液中の中性脂肪は、採血前の食事の影響を受けやすい数値です。そのため、検査結果を見るときは、食後どのくらいで採血したかも確認します。
詳しくは、中性脂肪が高いときの受診目安と改善方法をご覧ください。
LDLコレステロールは、増えすぎると動脈硬化につながります
コレステロールは、細胞膜やホルモンなどの材料になる、体に必要な成分です。中性脂肪のように、エネルギー源として使われるものではありません。
コレステロールを血液中で運ぶ粒子の一つが「LDL」で、その粒子に含まれるコレステロールを、LDLコレステロールと呼びます。
一般に「悪玉コレステロール」と呼ばれるのは、増えすぎると血管の壁にコレステロールがたまり、動脈硬化を進めるためです。
詳しくは、LDLコレステロールを下げる食事・運動・薬をご覧ください。
中性脂肪とLDLコレステロールは、別々に確認する必要があります。 片方が改善していても、もう片方の治療が必要なことがあります。
コレステロールの薬と一緒に飲むこともあります
LDLコレステロールを下げる代表的な薬が「スタチン」です。主に中性脂肪を下げるパルモディアXRとは役割が異なるため、必要に応じて両方を処方する場合があります。
ただし、腎機能に異常がある方では、併用は治療上やむを得ない場合に限られます。急激な腎機能の悪化を伴う横紋筋融解症が起こりやすいとされているため、併用する場合は、腎機能や筋肉の症状を定期的に確認します。
詳しくは、スタチンの効果と副作用をご覧ください。
中性脂肪が高いと、なぜ治療が必要?
動脈硬化や急性膵炎のリスクと関係します
中性脂肪が高い状態は、心筋梗塞や脳梗塞など、動脈硬化による病気のリスクと関係しています。また、著しく高くなると、膵臓に炎症が起こる「急性膵炎」の原因にもなります。
中性脂肪の高値の診断基準は、空腹時の採血で150mg/dL以上、食事の時間にかかわらず行う採血で175mg/dL以上です。ただし、この基準を超えたら、すぐに薬が必要という意味ではありません。採血の条件や数値の推移、ほかの病気などを踏まえて判断します。
一方、空腹時で500mg/dL以上の場合は、急性膵炎のリスクにも注意が必要です。食事や飲酒への対策に加え、薬を使って中性脂肪を下げる治療を検討します。
中性脂肪を下げる効果と、心筋梗塞などを防ぐ効果は異なります
ペマフィブラートを調べた大規模な臨床試験では、中性脂肪が高く、善玉コレステロール(HDL)が低い2型糖尿病の方が対象となりました。この試験では中性脂肪は下がりましたが、心筋梗塞や脳卒中などを減らす効果は確認されませんでした。
2026年の米国ACC/AHAガイドラインでも、中性脂肪が高い方の心筋梗塞などを防ぐ薬物治療では、生活習慣への対策に加え、スタチンによる治療を基本としています。
パルモディアXRを使うかどうかは、中性脂肪の高さや治療の目的に合わせて判断します。心筋梗塞予防のために、中性脂肪が高い方全員へ一律に追加するわけではありません。
従来のパルモディアとXRの違いは?
従来のパルモディアとパルモディアXRは、同じ成分の薬です。主な違いは、成分の放出のされ方と、飲む回数です。
「XR」は、Extended Release(徐放性:成分がゆっくり放出される仕組み) を意味します。この仕組みによって、服用回数を1日1回にできるように作られています。
| 比較する点 | パルモディア錠 | パルモディアXR錠 |
|---|---|---|
| 有効成分 | ペマフィブラート | ペマフィブラート |
| 薬の作り | 成分が比較的速く放出される | 成分がゆっくり放出される |
| 通常の服用回数 | 1日2回、朝夕 | 1日1回 |
| 1錠に含まれる量 | 0.1mg | 0.2mg・0.4mg |
例えば、従来のパルモディア0.1mgを朝夕1錠ずつ飲むと、1日の合計は0.2mgです。XR0.2mgを1日1錠に変更しても、1日に飲む成分の合計量が増えるわけではありません。
錠剤の数字が大きくなっても、そのまま「薬が強くなった」とは限りません。 切り替え後は、新しい処方の指示を確認しましょう。
パルモディアXRの飲み方と飲み忘れへの対応
1日1回、処方された量を飲みます
通常、成人では0.2mgを1日1回服用します。効果や腎機能など、体の状態を確認し、医師の判断で0.4mgに増量することがあります。腎機能が低下している方(eGFRが30mL/min/1.73m²未満)では、0.2mgまでとし、使うかどうかも慎重に判断します。
食前・食後のどちらでも飲めますが、処方されたタイミングに従ってください。毎日の習慣と結びつけておくと、飲み忘れを減らしやすくなります。
また、かんだり、砕いたり、すりつぶしたりせず、そのまま飲んでください。 加工すると、成分をゆっくり放出する仕組みが失われるおそれがあります。飲み込みにくい場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
薬を飲み忘れたときは
飲み忘れに気づいたら、1回分を飲みます。ただし、次に飲む時間が近い場合は忘れた分をとばし、次の服用時間に1回分を飲んでください。
2回分を一度に飲んではいけません。対応に迷う場合は、薬剤師に確認してください。
副作用と、採血で確認すること
普段と違う筋肉痛や、強いだるさに注意しましょう
パルモディアXRでは、筋肉痛、発疹、肝機能に関する検査値の上昇などがみられることがあります。
普段と違う筋肉痛、力が入りにくい、赤褐色の尿が出るといった症状は、筋肉が傷つく「横紋筋融解症」という副作用のサインとなることがあります。また、強いだるさ、吐き気、皮膚や白目が黄色くなるといった症状は、肝機能障害や黄疸の可能性があります。
こうした症状があれば服用を中止し、速やかに医師へ連絡してください。
採血で、薬の効果と安全性を確認します
服用中は、中性脂肪やLDLコレステロール、肝機能などを定期的に調べます。体の状態やほかの薬に応じて、腎機能や筋肉に関する検査も行います。
パルモディアXRの服用中に、中性脂肪が下がる一方で、LDLコレステロールが上がる場合もあるため、検査結果を全体で確認することが大切です。
服用前に伝えておきたいこと
胆石がある方、肝臓に重い障害がある方、妊娠中または妊娠の可能性がある方、シクロスポリン(免疫抑制薬)やリファンピシン(結核などの薬)を使用中の方などは、パルモディアXRを使用できません。
腎機能が低下している方や、ほかの薬を飲んでいる方も、処方前に確認が必要です。他院の処方薬や市販薬も、お薬手帳などを使って伝えてください。
数値が下がったら、薬をやめてもいい?
中性脂肪が下がったのは、薬が効いているためかもしれません。検査結果がよくなったことだけで、薬が不要になったとは判断できません。
一方、食事や飲酒、体重、血糖の状態などが改善すれば、薬の必要性を見直せることもあります。「いつまで飲むのだろう」と感じたら、数値の推移を見ながら、続けるか、減らせるかを相談しましょう。
薬を飲んでいる間も、甘い飲み物や間食、食べすぎ、飲酒量などを見直し、体調に合った運動を続けることが治療につながります。中性脂肪が著しく高い場合には、食事の脂質を制限する必要もあるため、具体的な食事内容を相談してください。
参考文献・参考資料
- PMDA「パルモディアXR錠 電子添文(2026年2月改訂 第6版)」
- PMDA「パルモディアXR錠 おくすりガイド(2026年7月作成)」
- 興和「パルモディアXR錠のFAQ」:特徴/食事の影響/飲み忘れへの対応
- 国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識」
- 日本動脈硬化学会「健康診断で異常を言われたら」
- 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
- Das Pradhan A, et al. Triglyceride Lowering with Pemafibrate to Reduce Cardiovascular Risk. N Engl J Med. 2022;387:1923–1934.
- Blumenthal RS, et al. 2026 Guideline on the Management of Dyslipidemia. Circulation.
この記事の執筆・監修者

乾 恵輔(いぬい けいすけ) 乾小児科内科医院 院長
【保有資格】
- 日本循環器学会認定 循環器専門医
- 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
- 日本内科学会認定 総合内科専門医
院長よりメッセージ: 中性脂肪が高いと言われても、自覚症状がないため、つい後回しにしてしまう方は少なくありません。薬が必要かどうかは、中性脂肪だけでなく、LDLコレステロールや血糖、血圧なども合わせて判断します。
【内科のご案内】
健診で中性脂肪やLDLコレステロールが高いと指摘された方や、脂質異常症の治療・お薬について相談したい方は、当院にご相談ください。健診結果とお薬手帳をお持ちいただくと、診察がスムーズです。
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