ブログ

doctor's blog

健康診断で引っかかったら何科?異常項目別の受診先と再検査の目安

2026/09/18
健康診断で引っかかったら何科?健康診断の結果票を見ながら受診先に迷う女性のイラスト

健康診断の結果を見て、「再検査と書かれているけれど、何科へ行けばよいのだろう」と迷っていませんか。

健診で基準値を外れても、それだけで病気が確定するわけではありません。食事や運動、採血した時間などの影響で、一時的に数値が変わることもあります。一方で、自覚症状がないまま進行する病気もあるため、結果票の指示を確認し、必要な再検査を受けることが大切です。

この記事では、健康診断でよく指摘される異常について、受診する診療科と医療機関で行う主な検査を解説します。

目次(押すと目次が出ます)

迷ったら、まず内科で大丈夫です

受診先が分からない場合は、健診結果票を持って、まず内科へ相談してください。

健康診断で異常を指摘されたときの流れ。健診結果票を持参してまず内科を受診し、再検査や必要に応じた専門科への紹介につなげる図

血糖、血圧、コレステロール、肝機能などは互いに関連していることが多く、ひとつの数値だけでなく、健診結果全体をまとめて評価する必要があります。内科で最初の評価を行い、専門的な検査が必要な場合は、消化器内科、腎臓内科、循環器内科などへつなぐことができます。

健診の異常項目と受診先の目安

健診で指摘された項目まず相談する診療科
血糖値・HbA1c内科・糖尿病内科
LDLコレステロール・中性脂肪内科
血圧・心電図異常内科・循環器内科
AST・ALT・γ-GTP内科・消化器内科
尿酸内科
クレアチニン・eGFR・尿蛋白内科・腎臓内科
尿潜血内科・泌尿器科
貧血内科
胸部X線異常内科・呼吸器内科
便潜血陽性・胃部X線異常消化器内科
眼底検査の異常眼科
聴力検査の異常耳鼻咽喉科

複数の項目で異常を指摘されている場合も、まず内科で全体を確認してもらうと受診先を整理しやすくなります。

「再検査」と「精密検査」は何が違う?

健診結果に書かれている判定には、それぞれ異なる意味があります。

判定一般的な意味
経過観察生活習慣を見直し、次回の健診などで変化を確認する
要再検査一時的な変動でないか、同じ項目をもう一度確認する
要精密検査異常の原因を調べるために、追加の検査を受ける
要治療医療機関を受診し、治療の必要性を判断してもらう

判定の名称や区分は健診機関によって異なります。アルファベットだけで判断せず、結果票に記載された説明や受診期限を確認してください。「要精密検査」「要治療」の場合は、症状がなくても先延ばしにせず受診しましょう。

血液検査で指摘される主な異常

血糖値・HbA1cが高い

空腹時血糖やHbA1cが高い場合は、糖尿病または糖尿病予備群の可能性があります。糖尿病は初期にはほとんど症状がありません。

医療機関では血糖値やHbA1cを再検査し、必要に応じて尿検査などを行います。生活習慣の見直しを中心に経過をみられる場合もありますが、数値が高ければ早い段階から薬が必要になることもあります。

血糖値やHbA1cを指摘された方は、糖尿病内科または内科へ相談してください。健診で血糖値の異常を指摘された方は健康診断で血糖値異常を指摘された方へ、治療中でHbA1cが下がりにくい方はHbA1cがなかなか下がらない…見直したい5つのポイントもあわせてご覧ください。

LDLコレステロール・中性脂肪が高い

LDLコレステロールが高い状態が続くと動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高くなります。治療の必要性は数値だけでなく、年齢、血圧、糖尿病、喫煙、腎機能、家族歴などを含めて判断します。

中性脂肪は食事や飲酒、採血した時間の影響を受けやすいため、空腹時に再検査することがあります。空腹時500mg/dL以上など著しく高い場合は、急性膵炎にも注意が必要です。

項目ごとの詳しい解説はコレステロールが高いと言われたら?数値を下げる方法は?と健康診断で中性脂肪が高いと言われたらをご覧ください。

AST・ALT・γ-GTPが高い

肝機能異常の原因は、脂肪肝や飲酒だけではありません。B型・C型肝炎、薬やサプリメントの影響、胆石や胆道の病気なども原因になります。

日本肝臓学会は「奈良宣言2023」で、健診でALTが30U/Lを超えた場合は、まずかかりつけ医などへ相談することを呼びかけています。医療機関では採血を再検査し、必要に応じて肝炎ウイルス検査や腹部超音波検査を行います。

尿酸値が高い

血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態を高尿酸血症といいます。高い状態が続くと、痛風発作や尿路結石につながります。

過去の痛風発作、腎機能、尿路結石、高血圧、糖尿病などを確認し、生活習慣の改善や薬の必要性を判断します。すべての人がすぐに薬を飲むわけではありません。詳しくは痛くないから大丈夫?尿酸が高いと言われたらをご覧ください。

詳しい診療内容は、痛風外来のページでもご案内しています。

クレアチニン・eGFR・尿蛋白を指摘された

クレアチニンとeGFRは腎臓の働きをみる指標です。尿蛋白は、腎臓のフィルターから蛋白が漏れていないかを調べます。

脱水や発熱、激しい運動によって一時的に変化することもありますが、異常が続く場合は慢性腎臓病(CKD)が隠れていないか、採血と尿検査で確認します。血圧や糖尿病の有無も重要です。

貧血を指摘された

赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリットが低い場合は、貧血が疑われます。

鉄不足による貧血が多いものの、胃や腸からの出血、婦人科疾患、腎臓病、血液の病気などが原因になることもあります。血液検査で鉄やフェリチンなどを確認し、原因に応じて消化器内科、婦人科、血液内科などへつなぎます。

血圧・心電図で指摘される異常

血圧が高い

健診で上の血圧が140mmHg以上、または下の血圧が90mmHg以上だった場合は、高血圧が疑われます。

健診会場や医療機関では、緊張によって血圧が高くなる「白衣高血圧」もあります。自宅で朝と夜に血圧を測り、受診時に記録を持参すると診断に役立ちます。家庭血圧の平均が135/85mmHg以上の場合も、高血圧が疑われます。

家庭血圧が高い場合や、心電図異常、糖尿病、腎機能低下なども指摘されている場合は、循環器内科へ相談してください。

白衣高血圧については病院で測るときだけ血圧が高い?意外と多い白衣高血圧、健診で血圧を指摘されたときの考え方は「血圧が高いですね」と言われたら放置しないでくださいで詳しく解説しています。

心電図異常を指摘された

健診の心電図では、不整脈、心肥大、心筋虚血の疑いなどを指摘されることがあります。すぐに治療を必要としない所見もありますが、心房細動のように症状がなくても治療が必要な不整脈が見つかることもあります。

心電図を再確認し、必要に応じて24時間心電図や心臓超音波検査などを行います。どのような精密検査があるかは健康診断で心電図異常を指摘されたら何科を受診するべき?で解説しています。

動悸、胸痛、息苦しさ、失神を伴う場合は、健診の再検査を待たずに受診してください。

尿検査で異常を指摘されたら

尿潜血を指摘された

尿潜血は、尿の中に血液の成分が混じっている状態です。膀胱炎、尿路結石、腎臓の病気などで陽性になり、女性では月経の影響を受けることもあります。

再検査でも尿潜血が続く場合や、目で見て尿が赤い場合は、泌尿器科または内科で原因を調べます。尿蛋白も同時に陽性の場合は、腎臓内科での評価が必要になることがあります。

画像検査・便検査で異常を指摘されたら

胸部X線で異常を指摘された

胸部X線では、肺の影、心臓の拡大、大動脈の変化などを指摘されることがあります。過去の肺炎や結核の痕跡、撮影時の体勢などで異常に見える場合もありますが、肺や心臓の病気を除外するために追加検査が必要になることがあります。

「要精密検査」と書かれている場合は、内科または呼吸器内科を受診し、必要に応じて胸部CTなどで確認します。

便潜血が陽性だった

便潜血検査は、便に目では見えない血液が混じっていないかを調べる検査です。痔、ポリープ、大腸がんなどで陽性になります。

「痔があるから」と自己判断せず、消化器内科へ相談してください。便潜血検査を繰り返すのではなく、大腸内視鏡検査による確認が基本です。

健診の再検査を待たずに受診した方がよい症状

次のような症状がある場合は、通常の再検査を待たず、速やかに医療機関を受診してください。

  • 胸の痛みや強い息苦しさ
  • 片側の手足に力が入らない、言葉が出にくい
  • 失神する、意識がぼんやりする
  • 目で見て分かる血尿や黒い便が出る

症状が強い場合や急に現れた場合は、救急受診も検討してください。

健診後の受診で持参するもの

受診時は、今回の健診結果票に加えて、次のものがあると診療がスムーズです。

  • 過去の健診結果
  • お薬手帳
  • 家庭血圧の記録
  • ほかの医療機関で受けた検査結果

過去の結果があると、今回だけの一時的な変化なのか、数年かけて悪化しているのかを判断しやすくなります。

乾小児科内科医院でできること

当院では、糖尿病専門医、循環器専門医、総合内科専門医が、ひとつの数値だけでなく、健診結果全体を通して評価します。

血糖、HbA1c、コレステロール、中性脂肪、血圧、肝機能、尿酸、腎機能、貧血などについて、異常の程度に応じた再検査と初期評価を行っています。HbA1cは院内で測定できるため、受診当日に結果をご説明できます。

生活習慣の見直しで経過をみられるのか、薬による治療が必要なのかを、検査結果と全身の状態から判断します。専門的な検査や治療が必要な場合は、対応する医療機関へご紹介します。

健診結果について相談したい方は、結果票とお薬手帳をお持ちください。

まとめ

健康診断で異常を指摘されても、すぐに病気が確定するわけではありません。しかし、症状がないまま進行する病気もあるため、「要再検査」「要精密検査」「要治療」と書かれている場合は、そのままにしないことが大切です。

受診先に迷ったら、まず内科へ相談してください。健診結果全体を確認したうえで必要な再検査を行い、専門的な診療が必要な場合は適切な診療科へつなぐことができます。

なお、「健診」と「検診」は目的が異なります。違いについては知っているようで知らない「健診」と「検診」の違いについてで解説しています。

参考文献


この記事の執筆・監修者

高崎市の乾小児科内科医院 院長 乾恵輔

乾 恵輔(いぬい けいすけ) 乾小児科内科医院 院長

【保有資格】

  • 日本内科学会認定 総合内科専門医
  • 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
  • 日本循環器学会認定 循環器専門医

院長よりメッセージ: 健診結果は、病気を早い段階で見つけ、今後の健康管理に役立てるための情報です。当院では、過去の経過やほかの検査結果も含めて、必要な対応をわかりやすくご説明します。


【健診後の再検査・内科外来のご案内】 

健康診断で異常を指摘された方の再検査と初期評価に対応しています。専門的な検査が必要な場合は、適切な医療機関へご紹介します。

健診結果票とお薬手帳をお持ちください。どの診療科に行けばよいか分からない場合も、そのままご相談いただけます。

受診をご希望の方は、WEB事前受付をご利用いただくとスムーズです。当日、症状について確認したいことがある場合は、お電話でもお問い合わせいただけます。

WEBで初診予約
電話で相談する
内科の詳しい診療内容を見るボタン

© Inui pediatrics and internal medicine clinic